「思い切ってパソコンを買って、Webライターとしてこれから頑張るぞ!」と意気込んでいる方は、一度冷静になってみてください。
パソコンの購入費用は決して安くありません。きちんとリサーチをして、明確な理由をもって購入するのが理想的です。
そこで、今回はリーズナブルな価格で購入できるノートパソコン「chromebook」の紹介をします。
- なぜchromebookはあれほど安いのか?
- Webライターにchromebookが向いている理由
- chromebookを購入する際のチェック項目など
以上のテーマについて解説するので参考にしてください。
chromebookって何?
chromebookの特徴
chromebook(クロームブック)とは、Googleが開発したOSを搭載したノートパソコンです。
軽くて使いやすい上に、セキュリティが高く、何より安価で購入できるため、世界中で人気の商品です。
ちなみにOSとは「オペレーションシステム」のことで、パソコンを動かすために欠かせない基盤のシステムを指します。
主要なOSの開発元を一覧にした表が、以下の通りです。
OS 開発元 | OS |
Windows | Microsoft |
Mac | Apple |
Chromebook |
chromebookの特徴は大きく2つあり、操作が簡単であること、そして価格が安いことです。
パソコン初心者の方でも使いやすく、Androidのスマホで使える100万種以上のアプリを使用できます。
chromebookの価格が安い理由は、不要なソフトや機能が最初から排除されているからです。
3万円〜6万円の価格帯で販売されているので、かなりお得にノートパソコンを手に入れられます。
chromebookにできること
chromebookを使ってできることは、大きく3つあります。
1つは「書類作成」で、こちらはGoogleドキュメントなどのオンラインサービスを使って、ブラウザ上でおこないます。
これまでChromeブラウザを利用されてきた方であれば、すぐに使いこなせるでしょう。
また、chromebookでは2016年からGoogle Playのアプリが使えるようになっています。
Androidスマホで使う「100万種以上のアプリの利用が可能」です。
さらに、chromebookはオフラインの状態でも利用できます。
よくchromebookは「インターネットに繋がってないと使えないのでは?」と思われがちですが、そんなことはありません。
事前に必要なファイルをパソコン本体に保存しておけば、オフラインの状態でも作業は可能です。
具体的に可能な作業は、Webサイトの閲覧、動画・ゲーム、Gmailの返信・閲覧・検索、Googleドライブ内のファイルの編集などです。
chromebookにできないこと
メリットばかりに思えるchromebookですが、当然できないこともあります。
押さえておきたいのは、WindowsやMacの専用アプリは基本的に使用できないことです。
例えば、Mac専用のソフトである「Garageband」(作曲ソフト)や「FINAL CUT」(動画編集ソフト)を、Chromebookもインストールすることはできません。Windows専用の会計ソフト「弥生」に関しても同様です。
そのため、長年「Chromebookは不便だ」という主張が数多くありました。
しかし、現在ではGoogle Playストアのアプリを利用できるため、OfficeやAdobeなどのサービスは利用できるようになっています。
Webライターにchromebookが向いている8つの理由
パソコン初心者の方でも使いやすく、安価で購入できるChromebookですが、実はWebライターと非常に相性が良いです。
そこで、こちらではWebライターにchromebookが向いている8つの理由を紹介します。
理由1:軽くて持ち運びしやすい
chromebookの重量は1kg前後と軽く、画面サイズも11〜12インチが多いため、軽量かつコンパクトです。
持ち運びをする機会が多いWebライターにはもってこいのノートパソコンと言えるでしょう。
理由2:起動が早い
パソコン作業が仕事のメインであるWebライターにとって、起動が早いことは重要です。
その点、chromebookは電源ボタンを押して10秒ほどで起動します。
不要なストレスを感じることなく、ライティング作業に没頭できるでしょう。
理由3:バッテリーの持続時間が長い
Webライターは基本的に長時間パソコンを利用します。
必ずしも電源を確保できる環境で仕事をするとは限らないので、バッテリーの持続時間は長いに越したことはないのです。
その点、chromebookのバッテリーの持ちは段違いに長く、最大駆動時間が12時間の機種もあります。
理由4:セキュリティ対策が万全
Webライターの仕事をする上で、考慮すべきリスクが2つあります。
1つはデータが消えるリスク、もう1つはデータを盗まれるリスクです。
誤作動でデータが消えるのはバックアップを取るなどの対策を自分でできますが、データを盗まれるのは自力で防ぎようがありません。
貴重なデータが外部に漏れてしまったら、自分だけでなくクライアントにも迷惑がかかるでしょう。
だからこそWebライターはセキュリティ対策が重要なのですが、PCのセキュリティを高めるには大抵コストがかかります(しかも結構高い)。
その点、Chromebookは標準で高いセキュリティ対策がなされているので、追加でセキュリティソフトを購入する必要がありません。
理由5:データをクラウドで保管可能
データをクラウドで保管できるのはchromebookの大きな特徴の1つです。
「クラウドサービスなんていくらでもあるのに、何でそれがメリット?」と思う方もいるかもしれません。
確かにその通りです。昨今はクラウドサービスが充実しており、chromebookでなくともクラウドによるデータ保管は可能です。
しかし、ことchromebookに関しては、データのクラウド管理が必須機能と言えます。
なぜなら、chromebookのストレージ容量は大体16GBしかないことがほとんどだからです。
一般的なノートパソコンだと500GB〜1TBくらいはあるのが普通なので、かなり少ないです。
ただ、裏を返せば、ストレージ容量が少ないからこそchromebookは安価で提供できていると言えます。
理由6:Google Play のアプリを使える
chromebookではGmailやGoogleマップ、Chromeブラウザなど、グーグルが提供するアプリを標準装備しています。
他にも、Google Play ストアでインストールできる100万種以上のアプリを利用可能です。
理由7:オフラインでも利用可能
ブラウザやクラウドサービスを使って作業をするなら、オフラインの状態では何もできないと思われがちですが、そうではありません。
たとえば、ライティング途中のファイルを「オフラインで使用可」に設定しておけば、オフラインでもブラウザから編集が可能です。
理由8:モニターとしても利用可能
Webライターの仕事をしていると、リサーチの過程で複数のサイトやアプリを同時に開くことがあります。
その際、モニターが1つだけだと不便に感じることが少なくありません。
そのため、すでにメインのパソコンがある人は、chromebookをサブモニターとして活用するのもありです。
外で作業をする時はchromebookをメインで使い、自宅で作業をする時はchromebookをサブモニターにするなどの使い方ができるでしょう。
Webライターがchromebookを利用するデメリット
続いて、Webライターがchromebookを利用するデメリットを5つ紹介します。
オフラインの作業をするのに不便
基本的にchromebookはオンラインの状態での利用を前提に作られています。
先述のようにオフラインで作業できる方法があるとはいえ、一般的なノートパソコンと比べると不便さを感じる人はいるでしょう。
MacやWindows専用のアプリが使えない
chromebookで利用できるアプリはGooglePlayで提供されているものだけです。
たとえば、Mac専用の動画編集ソフト「ファイナルカット」やWindows専用の会計ソフト「弥生」は利用できません。
Office系のソフトは使えるが使いにくい
WordやExcelなどのOffice系のソフトは、一般的なノートパソコンと比べて使いにくい特徴があります。
なぜなら、chromebookでOffice系のソフトを使うには、Web版のサービスか有料のアプリ版を利用する必要があるからです。
Web版は無料で利用可能ですが、一部の機能は制限されています。
また、アプリ版のインストールは可能ですが、通常のソフトウェアとは使い勝手がかなり異なります。
オフラインでOffice系のソフトウェアを使うのに慣れている方には、かなり不便でしょう。
ストレージ容量が少ない
先述のように、chromebookのストレージ容量は16GB程度であり、かなり少ないです。
「Webライターの仕事に容量っているの?」と思う人もいるかもしれませんが、意外と必要です。
ライティング作業では、さまざまな資料を確認したり、複数のサイトを同時に閲覧したりします。
私の場合、クライアントから送られてきた動画ファイル(数GB)をダウンロードしなければならない時もあります。
オフラインでデータを保管していたら、あっという間に容量がいっぱいになってしまうでしょう。
容量が大幅に減ってしまうと、
- 新しいファイルのダウンロードができない
- ウェブサイトを読み込めない
- アプリが使えない
など、さまざまなエラーが発生します。
Webライター向けchromebookを買う際のチェック項目
一言にchromebookと言っても、ラインナップは豊富にあります。
ノートタイプもあればタブレットタイプもありますし、「2in1」タイプもあります。
また、レノボ(Lenovo)、ヒューレット・パッカード(HP)、エイスース(ASUS)など、製造するメーカーも1つではありません。
さらに、画面サイズやスペックも異なるので、Webライターの仕事をする上でどのchromebookを選ぶべきかわからない人は多いでしょう。
そこで、こちらではchromebookを選ぶ際のチェック項目を紹介します。これからchromebookを購入する時の参考にしてください。
画面のサイズ
Webライターにとって画面サイズはかなり重要です。
机が散らかっていて作業スペースが狭いと効率が落ちるのと同じで、パソコンの画面もサイズが小さいと作業効率が落ちます。
Webライターは資料を見ながらライティング作業をすることが多いので、画面は極力大きい方がオススメです。
どれだけ小さくても13インチ以上はあった方が良いでしょう。
CPU
CPUは、いわばパソコンの脳です。性能が高いほどサクサクとパソコンを操作できます。
「動画編集とかオンラインゲームをするわけではないのに、CPUってそんなに重要?」と思う人もいるかもしれませんが、重要です。
CPUは最新のものを搭載しているのが理想で、個人的にはCore i5くらいは欲しいです。
メモリ
メモリは、同時に複数の作業をこなす際の許容量のようなものです。
メモリが少ないパソコンで同時に複数のソフトを開くと、処理速度は低下して、動きがカタカタしたりフリーズしたりします。
Webライターは4GBあればいいという人もいますが、個人的には8GBは欲しいところです。
ストレージ
ストレージには主にSSDとHDDの2種があります。
SSDの方が消費電力が少なく、処理速度が速いので、最近ではSSDを選ぶ人が多いです。
オフラインでの作業をストレスなくやりたい方は、128GB以上の容量があるといいでしょう。
重量
外で作業することが多い人は、重量もきちんとチェックしましょう。
chromebookは、一般的なノートパソコンと比べると基本的にどれも小さくて軽いので、特にどれを選んでも問題はないでしょう。
chromebookのおすすめ最新機種
最後に、chromebookを買うならオススメの最新機種を2台紹介します(2023年7月現在)。
ASUS「chromebook Detachable CM3」CM3000DVA-HT0019
こちらのchromebookは、10.5インチのディスプレイと着脱式のキーボードを備えています。
アクセサリーを多数組み合わせることで、様々なスタイルで使用できる点もメリットです。
また、フル充電時のバッテリー駆動時間は最大で約12.3時間です。
キーボードとスタンドカバーを合わせても、重量は約0.915kgと軽量なため、持ち運びに適しています。
Lenovo「IdeaPad Duet」ZA6F0038JP
こちらのモデルは、ディスプレイサイズが10.1インチであり、軽量かつ薄型なため、携帯性に優れています。
価格が手頃なため、Webライターだけでなく、学生の方にもおすすめのモデルです。
さらに、128GBのSSDを搭載しているため、多くの資料を保存できます。
また、キーボードも取り外すことができるので、シーンに応じた使い分けが可能です。重さも約0.92kgと軽量ですので、持ち運びにも便利でしょう。
Webライターにchromebookが向いている理由に関するまとめ
家電屋さんに行くと、たいていどこの店舗にもChromebookは置いてあります。
他のノートパソコンと比べて圧倒的に値段が安いので、気になったことがある人は多いはずです。
しかし、本記事で紹介したように、安い価格を実現できているのにはそれなりの理由があります。
オフラインの作業時に必要なソフトウェアが使えなかったり、ストレージ容量が少なかったり、メモリやCPUのスペックが低かったりなどです。
そのため、Webライターであれば誰でもChromebookがオススメというわけではありません。
「自分はどういうスタイルでWebライターの仕事をしたいのか?」をきちんと自問自答した上で、適切な端末を選んでみてください。