「Webライターとして今仕事があること」と「Webライターとして長期的に生計を立てられること」は似ているようで全然違います。
少なくともWebライターの適性がなければ、長続きはせず、生計を立てることもままならないでしょう。
そこで、こちらの記事ではWebライターの適性について解説します。
ライター歴12年の経験を基に、Webライターに向いている人と向いていない人の特徴を解説するので、参考にしてください。
Webライターの適性とは
「Webライター」と一口に言っても、その職種は多岐にわたります。
SEO記事ライター、セールスライター、取材ライター、インタビューライターなど、あらゆる種類のライターは「Webライター」と呼ばれることがあるのです。
そこで今回は、「Webサイトに掲載する文章を執筆する人=Webライター」という定義で話を進めます。
Webライターに向いている人の特徴
こちらではWebライターに向いている人の特徴を8つ紹介します。
ライティングに関する要素と、働き方に関する要素に分けて紹介するので、該当するものがあるかチェックしてみてください。
ライティングに関して
まず、ライティング作業に関して向いている人の特徴は以下の5つです。
⑴文章を書くことが苦ではない
小学生の頃の読書感想文などで、人より書くのが早かったり、褒められたりといった経験がある人には向いています。
仮に「稼げるから」という理由だけでWebライターになっても、ライティング作業自体が苦痛であれば長くは持たないでしょう。
ポイントは、ライティング作業が大好きである必要はないことです。苦ではなければ十分適性があると言えます。
⑵調べることが苦ではない
どのような文章を書くにしても、何も調べずに頭の中から文章をひねり出すようなことは基本的にありません。
たくさん調べて、情報を集め、精査して、根拠を元に文章を作成する必要があります。
実際、私自身もリサーチにはかなり時間を使います。ネット上で調べるだけでなく、参考になりそうな文献を購入したり、詳しい人に話を聞いたりすることもあるのです。
こういった調べる作業を苦痛と感じない人、知的好奇心が旺盛な人はWebライターに向いています。
⑶論理的に思考できる
優れた文章を書くためには、何をどのような順番で伝えればいいのかを適切に判断する必要があるため、論理的な思考力が求められます。
そのため、普段から「話がわかりやすい」と言われる人はWebライターとしての適性が高いでしょう。
たとえば、「まず結論を言って、その後に理由を言って、具体例を言って、最後にもう一度結論を言う」みたいなことを自然に頭の中で考えられる人は向いています。
⑷細かいことが気になる
細かい性格であればあるほど、完成度の高い文章を書ける可能性があります。
こちらは「細かい人の方が誤字脱字に気づけるから」みたいな話ではありません。
書いた文章の質を上げるためには、細かいことにこだわる必要があるという話です。
- 言葉のチョイス
- 具体例のチョイス
- 比喩の良し悪し
- 構成の良し悪し
- 文字数の過不足
これらの項目を気にして文章を見直した時に、違和感のある文章、不完全な文章をどれだけ見つけられるかがライターの腕の見せ所です。
多少神経質なぐらいの方が、webライターへの適性は高いと言えます。
⑸他人の立場になって考えられる
綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、Webライターにとって他人の立場になって考える力は非常に重要です。
なぜなら、Webライターが書いた文章を読むのは「他人」だからです(業界用語では「ターゲット」とか「ペルソナ」とか言います)。
ターゲットが読んでわかりやすい文章を書くためには、ターゲットのことをよく知る必要があります。たとえば、
- どの程度の知識があるのか
- どういう表現や具体例であればより伝わるのか
- 何歳くらいか?男性か?女性か?
などです。
だからこそ、読者である他人の立場になって、自分が書いた文章は適切かどうかを判断する必要があります。
これらの特性を持っている人は、webライターの仕事内容に向いていると思います。
働き方に関して
Webライターとして仕事をする環境は会社勤めのものとは大きく異なります。
仕事の内容ももちろんですが、日々の働き方についても特徴があるため、人によって適性があるように感じています。
⑴ひとりで黙々と作業が出来る
仕事の間は一日中文章を書いたり調べ物をしたりと、パソコンと向かい合っている状態が続きます。
誰かと一緒に話し合いながら仕事を進めていきたい方には、残念ですがあまり楽しくない働き方でしょう。
逆に、集中すると周りが見えなくなるくらい没頭できるタイプの方には天職と言えるかもしれません。
⑵広く浅くパソコンの操作が出来る
パソコンが全く扱えないとなると継続して仕事を受注するのは難しいでしょう。
具体的には、マイクロソフト社のソフト、ワード、エクセル、他にメモ帳やブラウジングソフトあたりは不自由なく使える必要があります。
他にもSlackやchatwork、zoomなどは使えるようにしておきたいですね。
⑶オンラインコミュニケーションが不自由なくできる
クライアントとの連絡や相談も基本的にはオンライン上で行うことになります。
チャットでのテキストコミュニケーションや、zoomなどの会議ツールにある程度慣れていることが望ましいです。
Webライターに向いていない人の特徴
続いて、Webライターに向いていない人の特徴を紹介します。
ライティングに関して
ライティング作業に関して、向いていない人の特徴は大きく4つあります。
⑴言語化が苦手な人
わかりやすいのは、自分の気持ちを言葉にするのが苦手な人です。
たとえば、自分が食べたラーメンの感想を聞かれて、「おいしかった」という言葉しか出てこないなどです。
Webライターの仕事をする上で、言語化は最重要とも言える能力ですので、それが苦手な人は不向きと言えるでしょう。
⑵調べる作業を苦痛と感じる人
Webライターの仕事は書くだけではありません。書く前に調べるのも重要な仕事です。
むしろ、調べる段階でどれだけ質の高い情報収集ができるかが、質の高い文章を書けるかどうかにかかっています。
普段から好奇心が強くない人や、世の中への関心が薄い人にとっては苦痛な作業でしょう。
⑶大雑把な性格の人
Webライターには読者の気持ちになって、細かな配慮を持って書く姿勢が求められます。
誤字脱字の確認はもちろんのこと、構成の良し悪し、言葉のチョイス、根拠の有無など、どれだけ細部にこだわれるかが記事の質を決めます。
⑷プライドが高い人
Webライターは、自分の書いた文章を直されたり、指摘を受けたりするのが日常茶飯事です。
そのため、相手の意見を聞き入れる素直さが必要となります。
そういった柔軟性がない人は、ライターとしての成長も遅く、クライアントからも「面倒臭いライターだ」と敬遠されがちです。
以上の4つの特徴に当てはまる方は、Webライターになると非常に苦労する可能性があります。
働き方に関して
働き方に関して、向いてないと思う人の特徴は大きく3つです。
⑴チームワークにやりがいを感じる人
Webライターは、基本的に1人でキーボードをカタカタするのが仕事ですので、1日中誰とも話さずに仕事が終わることもよくあります。
そのため、チームワークで仕事をすることにやりがいを感じる人にとっては、かなり退屈な仕事と感じる可能性が高いです。
⑵変化に適応するのが苦手な人
たとえば、SEOライターの仕事はグーグルの検索エンジンに最適化した文章を書くことですが、グーグルのアルゴリズムは定期的に変わります。
アルゴリズムとは、「どのような記事を上位表示するかをグーグルが定めたルール」と思って下さい。
なお、アルゴリズムの変更を業界では「アップグレード」と呼びます。
要するに、アップグレードが起きるごとに、文章を書く上でのルールが変わるので、SEOライターはそれに対応しなければなりません。
また、クライアントが用意したライター用のマニュアルも、割と頻繁に更新される傾向があります。
「またルール変わったの!?めんどくさいなぁ!」という人には、向いていないでしょう。
⑶オンラインでのコミュニケーションが苦手な人
オンラインでのコミュニケーションとは、Slackやチャットワーク、LINEなどの連絡ツールを使っておこなうテキストベースのコミュニケーションのことです。
こういったテキストだけのコミュニケーションは、表情、声のトーン、間が伝わらないので、苦手な人はよくクライアントと摩擦を起こす傾向があります。
極端に言えば、たとえばクライアントに記事の確認を依頼する際、「ご確認をお願いいたします」と伝えるのと、「確認して下さい」と伝えるのでは印象が違いますよね。
後者の表現は少し高圧的で、ぶしつけな言い方に聞こえます。
そもそも、オンライン上での1対1のコミュニケーションですら苦手な人は、オンライン上の多数の人に向けた記事を書くことも難しいと言えるでしょう。
以上の3つの特徴に当てはまる方は、Webライターにはあまり向いていません。
Webライターの適性は後天的に身につけられる
ここまで読んでいただいて、「自分はあまり向いてないかも」と思ったとしても、まだ諦める必要はありません。
なぜなら、Webライターに必要な適性は後から身につけられるものもあるからです。
そこでこちらでは、webライターとして活躍するための適性を後天的に身につけられる根拠を3つお伝えします。
筆者が一番苦手だった教科は国語
何を隠そう、筆者が学生時代に一番苦手だった教科は国語です。
小学校時代は作文を書くのが苦痛でしたし、中高時代は現代文の読解問題でよく間違えていました。
今考えれば、「そもそも文章とは何なのか」とよくわかっていなかったのです。
しかし、下積み時代にコピーライティングを学んだおかげで、文章の原理原則めいたものを知ることができました。
- どのような文章にもターゲットがいる
- ターゲットに合わせた言葉を選ぶ
- 読みやすい構成にする
極端に言えば、これらを意識できるようになれば、文章を書くのは決して難しくありません。
語彙力は伸ばせるし、それほど重要ではない
文章を書くのが苦手な人の中には、「語彙力がないから書けない」という人も多いでしょう。
しかし、語彙力は努力次第でいくらでも伸びます。現に私がそうだったからです。
上手だなと思う文章を日常的に読んだり、真似して書いているうちに勝手に自分のものになっていきます。
もっと言うと、Webライターにとって語彙力はそれほど重要ではありません。なぜなら、わかりやすく書けることの方が100倍重要だからです。
たとえば、「齟齬(そご)」は物事が噛み合わないことを指す言葉ですが、記事で書くことはほとんどありません。
それなら、「食い違いがある」「認識の違いがある」と書いた方がわかりやすいからです。
中学生が読んでもわかるくらいの内容が理想的ですので、そういう意味では中学レベルの語彙力があれば問題ないと言えます。
構成の定型はそれほど多くない
「論理的に考えて、文章の構成を作るのって大変そう」と思う方もいるかもしれませんが、実は構成の型はそれほど多くありません。
代表的な型の一つが「PREP(プレップ)法」と呼ばれる型です(名称は全く覚える必要ありません)。
「結論(Point)→ 理由(Reason)→ 具体例(Example)→ 結論(Point)」の流れで伝えるとわかりやすいので、頭文字を取ってそのように呼ばれています。
決して大袈裟ではなく、こちらの構成を押さえておくだけでも、十分わかりやすい文章を書けます。
Webライターの平均年収
いざwebライターとして働いた場合、どれぐらいの収入を得られるのでしょうか。
キャリアや契約形態などによって報酬事情は変わるので、一概には言えませんが、参考までにWebライターの平均年収を紹介します。
正社員の平均年収
日本人の会社員全体の平均年収は443万円(*1)とされています。
それに対して、Webライターの会社員の平均年収は448万円(*2)であり、ほぼ同額です。
しかし、割合が多いのは342万円〜422万円であり、平均年収より若干低めと言えます。
(*1)令和3年分 民間給与実態統計調査
(*2)求人ボックス 給料ナビ
派遣社員の平均時給
大手求人情報サイト「はたらこネット」によれば、2020年3月時点で、派遣求人案件の平均時給は1,573円となっています(*3)。
それに対してWebライターの派遣社員の平均時給は1,694円(*2)であり、平均より若干高めですが、エリアによって大きく差があるようです。
(*2)求人ボックス 給料ナビ
(*3)はたらこねっと
アルバイト・パートの平均年収
Webライターのアルバイトの平均時給は1,089円(*2)です。
東京の最低時給が令和4年10月1日より1,072円となっているので、ほぼそれと変わらない水準です。
フリーランスの平均年収
フリーランス協会が2020年に発表した『フリーランス白書2020』によると、フルタイムのフリーランスの年収は400万円~600万円が22.7%だそうです(*4)。
その中でも、Webライターの平均年収は400万円未満とされています。
Webライターとして活動する人口は多いですが、中には育児や介護をしながら副業で取り組む人も少なくありません。
フリーランスとしてWebライターの仕事だけで生計を立てている人はそこまで多くないでしょう。
未経験からWebライターを目指すなら
当然ですが、現在バリバリに活躍しているフリーランスのwebライターも、その多くは未経験からスタートしました。
そこで、こちらでは未経験からWebライターを目指す際に理想的なキャリアの積み方を、年代別に紹介します。
年齢によって取れるリスクは違うので、ぜひ参考にしてみて下さい。
20代ならライター職に転職する
転職市場において、若さは圧倒的な価値があります。
20代であれば、未経験の職種であっても転職するチャンスは山ほどあるでしょう。
ですので、Webライターを目指すと決めたなら、思い切ってライター職に転職することをオススメします。
最低限の生活が保証された状態でライティングスキルを磨く経験は、間違いなく大きな財産になるはずです。
30代なら副業ライターから始める
もし既に社会経験を積んで30代を迎えているのであれば、ぜひ副業ライターから始めてみてください。
生活を安定させた状態であれば、万が一ライターの仕事が軌道に乗らなかったとしても、いつでもライター業をお休みできます。
ライター職に転職するのもありですが、これまでに築いてきたキャリアを捨てて未経験の職に就くことになるため、年収が下がる可能性が高いです。
また、20代と比較すると転職の難易度が上がるので、転職できたとしてもライター職に就けない可能性もあります。
会社の就業規則を確認し、副業が可能であれば、まずは副業からWebライターを始めるのが無難です。
40代なら保険をかけつつ始める
40代以降の方も、30代と同様に副業ライターから始めることをオススメします。
独立を視野に入れているのであれば、本業と同等に稼げるようになるまでが退職を我慢した方が無難です。
また、30代から始める場合と異なるのは、40代は社会人としての経験年数が豊富であることです。
そのため、Webライターを目指すのであれば、可能な限りこれまでの経歴を活かせる業界のライターを目指しましょう。
ライター歴は短くても、業界の経験年数が長ければ、仕事を受注できる可能性は高まります。
このように、40代の方はできるだけ多くの保険をかけた状態で挑戦すると、失敗するリスクを最小限に抑えられます。
Webライターの適性に関するまとめ
確かに、Webライターの仕事には向き不向きはあります。
ですが、お伝えしたようにWebライターに必要なスキルは努力でいくらでも身につけられるので、適性はそこまで気にする必要はありません。
実際、適性があまりない人でもWebライターとして仕事があるのが現実です。
Webライターの仕事は、今後もまだまだ将来性があると筆者は思っているので、少しでも興味がある方はぜひ挑戦してみて下さい。
何か質問がありましたら、Xやインスタでお気軽にDMを送ってくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。