良い税理士はすぐわかるって本当?
見極めるための8つのポイントがあるので紹介します!
この記事では、良い税理士の探し方がわからない方のために、適切な探し方を解説します。また、筆者の失敗談も共有するので、同じ失敗をしないように参考にしてください。
こんな人におすすめ!
- 税理士と契約したいが初めてで不安
- 良い税理士の見極めポイントを知りたい
- 税理士を変えたいが探し方がわからない
そもそも良い税理士とは
良い税理士の見極めポイントを理解する上で、まず押さえたいのが税理士の「3つのタイプ」と「良い税理士の特徴」です。まだ一度も税理士と契約したことがない方は必見です。
3つのタイプ
税理士は大きく以下の3つの特徴に分けられます。
- 低価格タイプ
サービスを必要最小限にすることで、低価格を実現しているタイプの税理士です。
提供するサービスは、会計ソフトへのデータ入力、メールや電話を通じた税務相談、そして申告業務などに限られます。
もし従業員が自分1人しかおらず、年間売上が5,000万円以下のマイクロ法人の場合、このタイプが向いているでしょう。税理士からのアドバイスが大きく変わることはないからです。
私の法人はマイクロ法人なので、このタイプの税理士さんと契約しています。
ただし、低価格タイプの場合は税理士のレスポンスが悪かったり、相談に十分応じてもらえなかったりなどのトラブルが発生することがあります。
安い税理士を頻繁にとっかえひっかえしている人もいるみたいですが、税理士の変更はかなり労力がいるので、安さだけで契約するのはおすすめしません。
安さ以外の判断ポイントは記事の後半でお伝えします!
- 付加価値タイプ
定期的に面談をおこない、経営者の将来の目標や計画を踏まえたリスク管理や資金繰り、節税対策の提案などをおこなってくれます。
事業規模が拡大すると、節税対策のタイミング一つで納税額が大きく変わることもあり、倒産のリスク回避につながることもあるのです。
年商が1億円を超える企業や新規事業を立ち上げたい企業には、付加価値タイプの税理士がおすすめです。
私のようなマイクロ法人には無縁なタイプです。
- 特化タイプ
業務内容や業種に特化することで、特定の分野において深い知識と経験を持つ税理士もいます。例としては、相続専門、医療専門、不動産専門、飲食専門などです。
ただし、実際には専門知識が不足している場合もあるので注意が必要です。
良い税理士の特徴
良い税理士に共通する特徴は、タイプの違いにかかわらず、顧客目線に立って仕事をしてくれる点です。
一部の税理士は、必要最低限の業務のみ対応し、それ以外の業務をほとんどおこなわない人もいます。一方で、毎月の財務データを細かくチェックし、経営上のアドバイスを提供してくれる税理士もいます。
基本的には長期的なお付き合いになる関係ですから、顧客目線に立って仕事をするプロであって欲しいというのが正直な願いです。
実際に税理士を選ぶ際は、前述の3つのタイプを意識しつつ、以下で説明する「良い税理士を見極めるポイント」を参考にしてみてください。
良い税理士を見極めるポイント
良い税理士を見極める8つのポイントを紹介します。
ポイント⑴すぐに連絡が取れる
迅速な対応はビジネスの基本ですが、士業の中にはこれを軽視する方もいます。
ひと昔前は黙っていても仕事がわんさかある業界だったので、必ずしも顧客サービスを重視してこなかった税理士もいるんです。
しかし、近年の競争激化により、サービスの質を重視する税理士も増えつつあります。
ポイント⑵相性が合う
税理士との相性や人柄は、技術的なスキルとは直接関連しないかもしれませんが、長期的な関係を築く上では重要です。
相性が良くないと、コミュニケーションが円滑に進まず、業務に悪影響を及ぼす可能性があります。
実績や事務所の規模だけでなく、担当者の人間性もみましょう。
ポイント⑶物腰が柔らかい
税理士は税務知識だけでなく、顧客のニーズに対応し、柔軟にサービスを提供することが求められます。
申告業務だけでなく、経営相談や財務データの解説を丁寧におこない、必要に応じてアドバイスを提供してくれる税理士が理想的です。
ちょっとでも偉そうな人はやめときましょう。
ポイント⑷説明がわかりやすい
多くの経営者は節税のアドバイスを望みますが、全ての税理士が節税対策を得意としているわけではありません。中には説明がかなりわかりにくい人もいます。
ですので、節税を希望する場合はその旨を事前に伝えた上で、話がわかりやすい税理士を選びましょう。
個人的には、専門用語を乱発する人はアウトです。
ポイント⑸ITに強い
税理士業界は比較的高齢者が多く、ITに弱い人もいます。だからこそ、ITツールの活用能力は重要です。
例えば、SlackやChatworkでのコミュニケーション、Google Driveを使ったデータ共有くらいはできて欲しいところです。
ITスキルがない人に仕事を依頼するのはちょっと不安です。
ポイント⑹業界への理解がある
会計処理は業界ごとに異なる特性があります。自社の業界への理解がある税理士でなければ、会計上のミスが発生するリスクがあるでしょう。
業界特有の法規、商慣習、契約形態、決済方法に詳しい税理士を選ぶのがポイントです。
私は契約前に自分と似たような既存顧客がいるかを確認しました。
ポイント⑺最新情報への理解がある
税制は変更が頻繁におこなわれるため、最新の情報を把握している税理士を選ぶことがめちゃくちゃ重要です。
特に、最近ではインボイス制度の導入など大きな改正がありました。最新の情報を常に把握し、それに基づいた適切なアドバイスができる税理士でないと、ときには大損をすることもあります。
補助金の最新情報をもらえて助かったこともあります。
ポイント⑻適度に柔軟性がある
例えば経費の処理の仕方について、どこまでを経費と認めるかという線引きがあります。
法令を遵守しつつも、顧客の事業特性や業界の慣習に合わせたアドバイスを提供してくれるかが重要です。
柔軟過ぎてなんでも経費計上する税理士は危ないのでやめてください。
税理士選びの失敗例
税理士を選ぶ上で押さえておきたいのが「失敗例」です。「こういう理由だけで選ぶとたいてい失敗します」という例を4つ紹介するので、参考にしてください。
「顧問料が安い」という理由で選ぶ
税理士選びで顧問料の安さに魅力を感じるのは自然ですが、安さだけを理由に選ぶのはリスクがあります。顧問料が安いほど、サービスの質が低い可能性が高まるからです。
ただし、税理士事務所の規模やどの都道府県かによって、顧問料の相場は結構違います。相場を理解した上で、極端に安過ぎない税理士を選びましょう。
サービス内容はほぼ変わらないのに、エリアを変えるだけで月額1万円以上安くなった経験があります。
「家から近い」という理由で選ぶ
何かあったときにすぐ相談できるからという理由で、家やオフィスから近い税理士を選ぶ人もいます。しかし、それだけで税理士を選ぶのは避けるべきです。
最近ではZoomなどのオンラインツールを用いてどこからでも相談可能な税理士がたくさんいます。物理的な距離の近さよりも、相性や専門性を考慮した選択が望ましいです。
今契約している税理士さんとは年に1度ご挨拶をするくらいです。
「キャリアが凄い」という理由で選ぶ
その税理士が過去にどこに在籍していたか、どういうキャリアなのかという情報は、税理士を選ぶ上で重要です。しかし、キャリアが凄いという理由だけで選ぶと後悔する可能性があります。
過去の実績と現在の税理士としての能力、自分との相性は別次元の話なので、注意しましょう。
「国税庁出身」というキャリアだけで安心して契約し、失敗した経験があります。
「知人の紹介だから」という理由で選ぶ
知人からの紹介によって税理士を選ぶこと自体は悪くありません。紹介してもらう方が探す労力がいらないですし、安心して任せられます。
しかし、税理士との相性、対応の速さの感覚、専門性の有無を判断する基準は人それぞれです。
仮に信頼できる知人からの紹介であっても、あくまで自分にとって最適かどうかを自分の基準で見極める必要があります。
紹介だったので自分でその税理士のことを調べず、失敗した経験があります。
【実話】音信不通のまま顧問料を搾取された失敗談
余談ですが、今までで一番ひどかった税理士選びの失敗談を共有します。
「顧問料が安く、キャリアが凄くて、知人の紹介だから」という理由で選んだ税理士がいました。
最初の1年は何の問題もなかったのですが、徐々に連絡が取りにくくなり、とうとうメールも電話も何一つ反応がなくなったのです。
人づてに聞いたところ、「病気ではないが精神的に参っているらしく、仕事がてにつかない状態」とのことでした。
一番困ったのは、一切連絡が取れず、定期ミーティングも無断欠席、仕事をしているのかどうかもわからない状況で、顧問料だけは毎月引き落としがされていたことです。
仕方なく銀行の窓口まで行き、事情を説明し、特例的な対処として引き落としの契約を強制的に解除してもらいました。
引き継ぎ資料がないので、何がどこまで進んでいるのかわからず、頭を抱えました。そのような状況でも契約してくれた新しい税理士さんには心から感謝しています。
同じ失敗をしないでくださいね!
良い税理士はどこにいる?
良い税理士を選ぶ第一歩は、自分が税理士に求めるサービスを明確にすることです。
具体的にどのような業務を依頼したいのか、また何を重視するのかを事前に決めておくことで、自分にとって良い税理士を選ぶ手助けになります。
そして、良い税理士を探す方法としては、WEB検索や専門の紹介サイト、エージェントサービスを利用することが一般的です。
また、信頼できる知人、銀行、保険会社などからの紹介も有効な手段です。これらの方法を活用することで、自分のニーズに合った税理士を見つけましょう。
まとめ
私は多くの失敗を経て、今の税理士さんと出会うことができました。最終的にはエージェントサービスを利用することで、相性の良い税理士さんに出会えたわけです。
この記事ではその際に意識した見極めポイントや注意点を集約しているので、これから税理士探しを始める方は、ぜひ参考にしてみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました。